○原料米 奥出雲産 佐香錦、奥出雲産 五百万石
○精米歩合 60%
○酵母 酵母無添加
○Alc 14.0 度
○日本酒度 非公表
○酸度 非公表
○醸造年度 R4BY
↓小島杜氏コメント↓
今季の水母は、水もと×山陰吟醸の佐香錦60%2本、五百万石60%1本の合併で、そやし水の製法を新たにして開発して仕込みました。
今回のそやし水は、乳酸以外の有機酸を付与し、そやし水自体のクオリティを上げて、より清らかで浸透性のある酒を目指しました。
詳しい製法はまだお伝えすることが出来ませんが、効果と安全性が高く、良い成果がでていると思います。
従来のそやし水の有機酸組成…乳酸(強)、クエン酸、酢酸
今回のそやし水の有機酸組成…乳酸(中)、リンゴ酸、コハク酸、クエン酸、酢酸
このように今回の製法では、そやし水にリンゴ酸やコハク酸が付与されて、爽やかで美味しいそやし水になりました。
乳酸の比率が下がることで当たりの強い酸が減り、リンゴ酸が爽やかな酸を、コハク酸が旨味や渋みのある酸を付与しています。
また液体での乳酸発酵したお酒(水もと・ナチュールワイン・ランビックなど)は浸透圧やphの違いからか、非常に体への浸透性が高く、。
冷酒や燗酒でもその特性が失われないために、どの状態でも飲み感がよくなっています
手術や水分補給に使われる生理食塩水と同じように、人間の体と浸透圧が近いことが飲み心地の良さに繋がるのではないかと予測されていますが、
まだその根拠はでていません。このように人の口の中の粘膜と酒との浸透圧を親しくしていくことは今後の大きな課題なのかなと感じています。
私が掲げている御神酒造りには「異なるものを同一にして時間と未来を創造する」という目的があります(自他や矛盾を同一にすることを縁起や直会と呼び、それに御神酒が利用された)。
味や香りのような嗜好的な要素を共通認識として捉え、同一にすることは難しいことです。しかし酒と人間の浸透圧を同一にしていくことは、味や香りといった嗜好を超えて、
人間という大きな属性に作用し、多くの人を同一にできる広い手段なので、打率が高く、縁起の連鎖(リピートやファン獲得)が起きる可能性が高いものとなります。
"このように水母は浸透圧の高さで自他の境界線をなくし、同一化していく過程を体感できる酒です。かなりいい酒ができました。
"
どんな温度でも体感できるようになっていますので、どこがベストということなく色々と試してみていただきたいです。飲み感を重視したいのでテイスティングはありません。
水母のような酒が、日本酒をサケに戻し、私たちを自然生命の群れに戻してくれるような気がします。よろしくお願いいたします
"
(蔵元コメントより)