【生産者】ル トン デ スリーズ(アクセル プリュファー)
【原産国・地方】フランス・ラングドック
【タイプ】赤
【ブドウ品種】サンソー100%
【容量】750ml
じりじりと太陽照りつける灼熱のラングドックで、どうやってこんな涼し気なワインを造れるのだろうといつも不思議なル トン デ スリーズ!
造り手であるアクセル プリュファー本人が、どんな時もふわっと自然体で、涼し気な感じなので、そんな彼の人柄が反映されているのかなとも思わされます。
さてさて、そんなル トン デ スリーズのラインナップの中でも、もっとも涼しげに仕上がるのが、さながらロゼのような色調の赤ワインBRUTAL(ブリュタル)です!
ご存知の方も多いかとは思いますが、このブリュタルは、瓶詰め時に亜硫酸を使用することをよしとしない様々な生産者が、自分たちの「攻めた」ワインに共通のキュヴェ名をつけて、各自でリリースするコンセプトワイン。
ブリュタルには「残忍な」「粗暴な」という意味があり、と同時にカタラン語(このコンセプの発起人にスペインやルーションの生産者が含まれるため)のスラングで「素晴らしい!」という意味もあるダブルミーニング。既存のワインの権威に対してのアンチテーゼとして死神が鎌を振るうデザインのエチケット(ラベル)が定番で使用されます。
ところが、アクセル プリュファーは、このブリュタルのコンセプトには共感しつつも死神があしらわれたエチケットのデザインはあまり好みでないらしく、独自のデザインのエチケットでリリースしています。
2016年に関しては、メキシコの覆面プロレスラーのような、らしくないデザインですが、このデザインは、アクセルの友人のドイツ人女性の手によるもの。当初その友人が描いたデザイン(胸などが露わになっている女性の絵?)が気に入らなかったアクセルが、再度依頼したところ、その友人が、アクセルのダメ出しに気を悪くしたのかはわかりませんが、女性の絵とは対象的な小太りで毛深い男性覆面プロレスラーのデザインが送られてきたと言います。そして、このプロレスラーのデザインを採用するあたり、アクセルの天然っぷりが垣間見れます。
さて、気になる味わいですが、これで本当に赤ワイン!?と思えるほどオレンジがかったロゼの色調で、表示アルコール度数も10.62%と低め(なうえに何故か小数点第2位まで記載)。2016年の他のキュヴェにも共通する特徴ですが、やや揮発酸が高めな中、コケモモや赤い果実のチャーミングな風味がしっとりと感じられ、その飲み心地のスムーズさは絶妙です。時間の経過とともに揮発酸は奥側に感じられるようになり、まろやかな旨味が前面に出てきます。繊細なバランスのワインではありますので、グラスワインなどではなく、抜栓後は早めに飲みきって頂くことをオススメします。