○原料米 五百万石、改良雄町
○精米歩合 60%
○酵母 協会7号
○Alc 15.5度
○日本酒度 +8
○1回火入れ
○醸造年度 R6BY
山陰吟醸セレクトシリーズ最終作。協会7号酵母で醸された純米酒白ラベルのタンクから選抜。
セレクト6・9の「綺麗さ」に対し、より香味と旨味を前面に押し出した構成。
7号酵母特有のイソアミル(バナナ系)に加え、丁寧な吟醸経過によって引き出されたマスカット様の4MMP系香が涼やかに漂う。低温では穏やかながら、常温にかけて柔らかく香りが開く。
味わいはなめらかで奥行きがあり、麹由来の甘味と強いうま味、りんご酸の爽やかさが重なり合う。渋みは控えめながらも、しっかりとした酸が全体を引き締め、ボディ感を生み出している。改良雄町の存在が醪前半の糖供給に影響を与え、酵母の働きをより活性化させている印象。
イソアミル香と麹由来のアミノ酸系旨味が軸となり、飲み進めるほどに深みが増す。セレクトシリーズの中でもひときわ存在感を放つ一本。熟成によるさらなる進化も期待できる、山陰吟醸らしい清らかさと力強さを兼ね備えた酒です。